『ザ・ピット』シーズン2第11話を観終わって、正直しんどかった。
海外の反応を調べてみると、サントスは「不快だけど正しい」という評価が多い。 確かに言っていることは間違っていない。 それでも私は、どうしても彼女を好きになれない。
何故だろう?
それは単なる好みの問題ではなく、日本人の価値観と深く関係しているのかもしれない。
この記事では、海外の評価と照らし合わせながら、 「なぜサントスに違和感を覚えるのか」を、日本人の「私」の視点から掘り下げてみたい。
※本記事の評価は、こちらの基準に基づいています → 評価基準はこちら
作品紹介
作品情報
| 作品名(原題/邦題) | The Pitt / ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室 |
| 監督名 | ウェルズ、アマンダ・マーサリス ほか |
| 公開年(国または地域) | S1:2025年1月9日 S2:2026年1月8日 |
| 主要キャスト | ノア・ワイリー、トレイシー・イフェアチョア、パトリック・ボール |
| 年齢制限(レーティング) | TV-MA(16歳以上推奨) |
作品評価
| IMDb スコア | S1:8.9 / 10 | S2:9.2 / 10 |
| Rotten Tomatoes(批評家 トマトメーター) | S1:96% | S2:100% |
| Rotten Tomatoes(観客 ポップコーンスコア) | S1:92% | S2:98% |
| TMDB スコア | S1:8.7 / 10 | S2:9.0 / 10 |
| Filmarksスコア | S1:4.4 / 5.0 | S2:4.6 / 5.0 |
あらすじ(ネタバレ無し)
シーズン1
ペンシルベニア州ピッツバーグの多忙を極める救命救急センターを舞台に、1話が1時間のリアルタイム形式で進行します。人手不足や資金難に直面しながらも、15時間の過酷なシフトに挑む医師たちの葛藤と、パンデミック後の現代医療が抱える歪みを鮮烈に描き出します。
シーズン2
独立記念日の喧騒に沸くピッツバーグ。ERはシステムダウンという最悪の事態に見舞われ、アナログ診療を余儀なくされる。押し寄せる負傷者と人手不足、さらには新体制との激しい対立が現場を限界まで追い詰める。休暇を目前に控えたロビー医師は、泥沼化するこの「戦場」から脱出できるのか。(※現在配信途中)
『ザ・ピット』S2・11話ネタバレ有り感想・考察
観終わって、頭から離れなかったこと
日本時間 3 月 20 日午前 10 時、第 11 話がU-NEXTで配信されたばかり。
いや〜…しんどかった。本当にしんどかった!ICEの乱入、エマへの暴力、ロビーのあの顔。盛りだくさんすぎて観終わった後しばらく画面の前で頭抱えたよね。
で、色々あった中でどうしても頭から離れないのがサントス先生とラングドン先生の対立なんだよ。海外の反応を調べれば調べるほど「あ、ここ日本人と感覚違うな」ってなって、それが面白くてね。せっかくだからそこを掘り下げて記事にしてみる。
まず第11話で何が起きたか、ざっくりおさらい
ICEがERに乗り込んできた
移民税関捜査局(ICE)のエージェントが、手錠をかけた患者を連れてERに現れたんだよね。日本人からすると「え、武装した人たちが病院に?」って感じでちょっとピンとこないんだけど、アメリカ人にとっては「病院という聖域への侵略」として映る、すごく政治的な出来事なんだって。
怖くなった患者たちが治療を受けずに病院から逃げ出して、看護師のジェシーはICEに抵抗して手錠をかけられて連行されちゃう。あのシーン、息が詰まったね…
エマが首を絞められた
エピソードのラスト、酔って暴れるゴルフ客に看護師のエマが首を絞められたところで突然終わるんだよ。え、そこで終わるの?!ってなった。看護師って毎日こういうリスクの中で働いてるんだよね、って改めて思い知らされた。
ロビーのあの顔
熱中症の子どもの母親に「自分を傷つけたいと思ったことは?」って質問するシーンで、カメラがロビーの顔をじっと映し続けるんだよね。あれ、絶対ロビー自身に刺さってるよね。海外のファンも「ロビーの自殺念慮の暗示だ」って確信してる人が多くて、なるほどって目から鱗状態だった。
海外の反応、サントスへの評価が真っ二つだった
Redditとか海外のレビューを見てたんだけど、サントス先生への評価は、はっきり割れてるんだよね。
多数派は「嫌いだけど、言ってることは正しい」って意見。
なんでかっていうと、ラングドン先生の問題って「薬物依存」だけじゃなくて、患者の薬を盗んで生理食塩水にすり替えてたっていう事実があるから。
これ、患者の命に直接関わる話でしょ?海外だと「更生したかどうかは関係ない、そんなリスクがある人間を現場に戻すな」って声が根強いんだよね。
でも「サントスはやりすぎ」派もいて。ラングドンが10ヶ月かけて治療して、ちゃんと謝ろうとしてるのに、プロとしてどうなの?って。ロビーがかばい続けることへの「依怙贔屓じゃないか」批判もあった。
サントスの「正義」の裏にあるもの
ちょっとここで、サントス先生っていう人物を掘り下げてみたいんだけど。
彼女がラングドン先生にあそこまで執拗なのって、純粋な正義感だけじゃないよね?って思ってて。
サントス先生と外科のガルシア先生、シーズン2では同居してることが示唆されてるくらい親密な関係なんだよね。でも第10話で、サントスがガルシアにラングドンへの不満をこぼそうとしたら「セラピーに行けば?」って冷たく突き放されちゃう。そのガルシア先生は、プロとしてラングドンの腕をめちゃくちゃ評価してるわけよ。
つまりサントスからすると、好きな人が、自分が許せない相手のことを認めてるっていう状況なんだよね。それはキツいよね、好きな相手に共感してもらえないわけだし。
海外でも「サントスの執着、私情混じってるんじゃ?」って分析してる人がいて。でもそれが厄介なのが、動機が不純でも、言ってることは正しいっていう状況が成立しちゃってるんだよね。このドラマほんと意地悪で、だからこそ面白いんだよ。
しかも二人の関係を見てると、サントスの方が一方的に必死で、ガルシアはドライに割り切ってるように見える。「愚痴は聞かない」って言えちゃうガルシアと、それでもしがみつくサントス。その不安定さが、ラングドンへの攻撃性をさらに強めてるんじゃないかなって。
日本語で言うなら「八つ当たりの矛先が、たまたま正当な標的に向いてしまってる」みたいな。なんかそれはそれで哀しいよね。
「和を以って貴しと為す」という価値観&神視点と登場人物視点のズレ
海外のレビューって、この対立を「正しいか正しくないか」だけで語ってることが多いんだよ。でも日本人の感覚ってそこだけじゃないじゃない?
聖徳太子の「和を以って貴しと為す」って言葉があるように、日本って昔からチームの和を保つことをすごく大切にしてきたじゃん。
その感覚で見ると、サントス先生って入職初日から同僚にあだ名つけてバカにして、上司の指示は無視して単独行動——それだけで「協調性のない困った人」になっちゃうんだよね。腕がいい以前の問題というか。日本の職場だったら正直、窓際族候補だよ…
さらにここに「神視点と登場人物視点のズレ」が加わってくる。
視聴者はサントスが幼少期に虐待を受けてきた背景を知ってるから、彼女の攻撃的な態度にどこか同情できる部分もある。
でもラングドン先生からすれば、そんな事情は関係ないよね。突然来て、チームをかき回す扱いにくい研修医にしか見えないわけで。だからラングドンが注意したり衝突したりするのも、私は理解できるな。
これってちょうど忠臣蔵の構図に似てるなって思って。
視聴者は吉良上野介が陰湿な人物だって知ってるから浅野内匠頭に肩入れするけど、幕府の視点では「松の廊下で刀を抜いたのは浅野」って事実しかない。サントスの言い分は「幕府の正論」で、私たちがラングドンに肩入れするのって、日本人が持つ判官贔屓の感覚そのものだよね。
あと、ウィル・スミスのビンタ事件のとき、アメリカでは「理由がなんであれ暴力はNG」が主流だったのに、日本では「家族を侮辱されたんだから仕方ない」って声が多かったじゃない?あの感覚のズレと、今回のサントスへの見方のズレって、根っこ同じだと思うんだよね。「正論を振りかざして人を追い詰めること自体も暴力じゃないの?」って感覚、日本人はどこかに持ってると思う。
まとめ|正しさだけでは救えないものがある
ここまでいろいろ書いてきたけど、私が一番言いたいのは、
ラングドン先生が患者の薬を盗んだのは、絶対にダメ。これは揺るがない。
でも彼は10ヶ月、職を離れて治療を続けてきた。そして今、ERに戻ってきた。
ERで一番大切なことって、患者を救うことじゃないの?
ラングドン先生をこの状態で失ったら、救えたはずの命が救えなくなるケースも出てくるかもしれない。それってサントスが「正しいか正しくないか」とは、別の次元の話だよね。——正しさだけでは、現場は回らない。
個人の相性とか感情は置いといて、病院の中ではプロとして患者に向き合ってほしい。言い争う時間があるなら、その時間を目の前の命に使ってほしい。「目の前の患者を救う」という一点だけは、二人とも同じ方向を向けるはずだと思うから。

サントス先生とラングドン先生が和解できる未来はあるんだろうか…。和解して万全のERチームも見てみたいけど。
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